白子森造のブログ

①山に行って楽しむべし、②温泉で身体を休めるべし、③しょっぱい食べ物で塩分を補給すべし、④家に着いたら昼寝すべし。是、究極の休日の過ごし方成り

黒崎森隧道(秋田県【非】指定文化財)

秋田県には数十年もの間、クルマが1台も通っていない(バイクは少々通っている)、立派なトンネルがある。

秋田県中央部、秋田市(旧河辺町)と仙北市(旧西木村)に跨る田沢スーパー林道にある黒崎森隧道である。

黒崎森峠にあるため、この名が付いたと思われる。



山奥の林道に堂々と鎮座するその姿は何とも不気味で、「迷い家」のようである。




トンネルの中に入ってみると驚かされるのが、何十年ノーメンテでありながら、トンネル内の状態はとても良いということである。

「コンクリートは50年持つ」という計算は道路として使用されていないのなら成り立つのかもしれない。
【写真は幸運の黄金のカブ】


私は平成20年に通行したのが最初で最後であり、またいつか行きたいと思っているうちに、昨年、丹波沢手前で林道が崩落し、バイクで行くことも困難になってしまった。




この林道が作られた背景には様々なドラマがあり、高度経済成長期の秋田県の縮図のような建築物で、秋田県指定文化財と言っても過言ではないのですがなかなか理解が得られないでしょうから永遠の非指定文化財としておきましょう。

一般的な観光にはオススメできませんが、こういうモノを見に行くのも歴史を知る上で面白いもんですね。

★田沢スーパー林道メモ
昭和40年 国のスーパー林道事業(特定森林地域開発林道事業)が始まる
昭和43年 田沢線が調査路線に採択される
昭和45年3月31日 農水大臣により田沢スーパー林道の計画決定
昭和53年10月31日 開通
平成20年10月18日 白子森造、バイクで単独走破
延長 約58km
総事業費31億9,800万円
この林道は、林道ツアラーには割と有名で、仙人「寺崎勉」氏も通行した記録がある。
林道唯一のトンネルである黒崎森隧道は延長275m、幅員6.5m
当時秋田県にトンネル工事ができる業者がおらず、北海道の業者が指名競争入札により受注していた。