今年こそ見たい「クマゲラ」
私が山に入るようになってから数年が経過した。
だが、ずーっと見たかったクマゲラは、まだ一度も見ていない。
山で会いたい動物の筆頭である。
秋田県には原生流域がまだたくさんあるので、ひょっとしたら和賀山塊などほかの地域にも住んでいるのかもしれない。
だいたい6~7年は同じ木で営巣するようなので、その木を特定し、観察し続けることが発見の近道であろう。
北海道では、市街地に近い場所でも生息が確認されているというが、私が見たいのは、本州に住むクマゲラである。
また、「1978年以降、北東北三県で83羽の巣立ちを確認してきた。ひなの生存率は3分の1程度とみており、われわれの調査で把握できなかった個体があることを考えても、現在は最大で30羽くらいしか生存していないのではないか」
そして、「羽が茶色のクマゲラが目撃されており、おそらく近親交配の影響で、個体数の減少が影響しているのではないか」
とある。
2003年から10年経っているということは、当時最大30羽いた本州クマゲラは今ではほぼ死んでしまっているのである。
その間に順調に繁殖が行われていれば、生息数は確保されているかもしれないが、これまでの減少率を鑑みると、更に減少していることが予想される。
一度に2~6個の卵を産むということなので、その卵が無事孵り、雛の生存率が少しでも高まっていることを期待したい。
しかし、更に追い打ちをかけるように、昨年10月の陸奥新報によると、『白神山地での調査は今年、個体はもちろん新たな痕跡や情報がともにない、藤井代表をして「最悪」という状況を迎えた。「個体数が限りなくゼロに近づいている」と危機感を募らせている。』という記事もある。
果たして本州のクマゲラはまだ存在しているのだろうか。
今年こそはその姿を是非ともこの目に焼き付けておきたいものである。