白子森造のブログ

①山に行って楽しむべし、②温泉で身体を休めるべし、③しょっぱい食べ物で塩分を補給すべし、④家に着いたら昼寝すべし。是、究極の休日の過ごし方成り

R01.07.28_やっと源流の入口に到着

 平成29年夏の災害でいつもの源流に行く道が崩れてしまったため、いつもの源流以外の半源流のような場所で釣りをすることが多かった。それはそれで面白いのだが、やはり「いつもの」源流が恋しくなるものである。すっかりこの源流から遠ざかってしまい、平成28年9月24日から何と1037日ぶりにいつもの源流に行くことにした。1037日ぶりに行くのに「いつもの」とはけしからんと言われそうですが…。

 

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 林道でのクロスバイクは誤算であった。

 ①ハンドルよりサドルが高い位置にあり、

 ②ダンパーがなく、

 ③細いタイヤを装着している

自転車は林道との相性が最悪であった。林道の表面が土ではなく、石が多いところはそれがより顕著であった。以前オフロードバイク(SL230)に乗っていたので、その経験が活きるだろうと思っていたが全然ダメであった。上記①~③が全て逆であり、林道走りに適さない自転車だということに自転車を漕ぎ始めて10分で気づく。

 師匠の自転車は①と③は満たしており、表情からも楽な感じが読み取れた。さすが買い物上手である。私も電動アシスト付きの自転車の購入を考えてしまった。

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 さて、休憩を多めに取りながら自転車を漕ぐこと1時間。何とかいつも車を止めていた場所に着く。ついに到達!1037日ぶり!自転車の疲れに加え、到着時に結構な量の雨になっていたので、声には出さなかったが心の中では大歓喜である。

  とりあえずここまで自転車でも歩いてでも来れることは分かった。この先は徒歩なので崩れている場所があっても特に問題ない筈である。それにこの先は人の手が入っていない。自然が作った川の流れは平野部の土木工事で作られた河川よりよっぽど丈夫なはずである。ほんの数年で崩落するほどヤワじゃない。

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  ここからは徒歩で通称「山の神」に向かう。師匠と私が、山中にある太い立ち枯れの木に山の安全を祈願していたら、他の入山者も祈願していたようで、いつしか燭台やワンカップなどのお供えも置かれるようにいなっていた。源流釣りの他、マイタケ採りの入口にもなっており、この一帯に立ち入ろうとする方には思い入れの強い場所である。

 

 山の神を目指す。車止めに自転車置いて、ここからは完全徒歩である。歩き出すとすぐに湧き水が流れている。しかし、水の流れが非常に悪い。どうやら管の角度というか挿入具合が悪いらしい。ここは師匠の出番!管は見事に青年のような角度になり、水量も残尿感など微塵も感じさせないほどの勢いに戻った。この水がとても冷たくて美味しい。ここまでほとんど水分補給ができなかったため脱水症状気味であったが、この命の水が五臓六腑に染み渡り、だいぶ体力が回復する。

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 水飲み場を過ぎると分け入っても分け入っても青い藪である。背丈ほどの草が大量に繁茂している。棘のある植物がとても多い。指あきの手袋だったので小指に棘がささり血が出る。こう藪化してしまうと藪歩き用の手袋が欲しくなる。以前は豚皮の手袋をしていたが、水を含むと重くなるし、すぐ固くなってしまうので、園芸用の手のひらに棘が刺さらないように何かを吸着している手袋を検討中。

 

  何だかんだと1時間くらいかけて、山の神の近くまで到着。少し足を伸ばせば山の神を見られる場所なのだが、何故か師匠は行かなくてもいいという。不思議に思ったが藪歩きを1時間した後は少しそれ以外の事をしたくなるのだろう。と勝手に解釈した。

 

 しばし、コーヒーを飲んで落ち着く。コンビニで買ってきたパンも食べる。さっきまで大量の汗をかいて、あっちーあっちーしか言わなかったのに、熱いコーヒーを飲んでいるのだから不思議なものである。

 

  コーヒーを飲んで汗も引いてきたら、師匠が、せっかくここまで来たんだし釣りたくなってきた!とのこと。確かに源流の入口まで来て竿を出さないのはもったいないかもしれない。そこで、30分限定で釣ることにした。私は将来に備えてテンカラの練習をすることにした。あわよくば尺岩魚が釣れたら…

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 結果、師匠はいつもの三匹。無駄な殺生をせず、家族分釣れたら後は写真を撮ったりおやつを食べたりである。

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 私はテンカラの仕掛けが絡まりまくりの一人お祭り状態。もちろん釣果はゼロ。しかし、明らかに魚影が濃くなっている。今まで源流の入口であるこの場所で魚が釣れることなんてなかった。それが、今はイワナがビュンビュン走るのである。1037日前に10センチにも満たなかったイワナなのか、洪水の時に滝上から落ちてきたイワナの子供なのかは分からないが、1037日前には人間の前を悠々と泳ぐ姿は皆無であったのは確かである。

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 2杯目のコーヒーを飲んで、源流の入口を後にする。帰り道は藪道が一度歩いたことで少しマシな道になったことと、藪歩きが慣れてきたこともあって、かなり短縮して自転車置き場までとうちゃこできた。藪のパワー恐るべし。そこから自転車でクルマ止めまで向かう。大きい石が敷き詰められているゾーンで2度転倒。スピードを殺しながらゆっくり運転し、何とかクルマ止めに到着。もう少し練習すれば時間をもっと短縮できるかもしれない。今後も何度か練習は必要であろう。少しだけ苦境に立たされているレッドブルホンダのピエールガスリーの気持ちが分かったような気がした。

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 1037日前まではクルマで行けた場所で疲れなど微塵も感じなかったのに、人力になった途端、トライアスロンでもした後のように疲れてしまった。ラン(藪歩き)と自転車をやったので、残るスイム(滝つぼに浸かるまたは深い流れで泳ぐ)を師匠に期待したのだが、時間の都合でお流れとなった。

 しかし、自然に会いに行ってるのに、文明の利器に頼ってしまうのはやっぱり人間の情けないところであり、人間の非力さを痛感させられる釣行となった。

 
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